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西岳、編笠山周回+権現岳ピストン
昔、中学高校の頃「55歳で死ぬ」と豪語していました。
詩人は10代で死に、ロッカーは20代で死に、僕は55歳で死ぬ。
ティーンエイジャーにありがちですが、自分が其のぐらいの年齢になる事を想像できなかったのでしょう。
そして、その55歳の誕生日を僕は山で迎えました。

今年はアイゼンを使うような雪山に行きたいと道具をコツコツと揃えていました。
自宅から歩いて行ける山は八ヶ岳の南の方。
一昨年は西岳撤退、去年は西岳、編笠山周回。そこいらはチェーンスパイクでも行ける。
となると、青年小屋からの権現岳だな、とは初期に決まりました。ただそのコース、雪の条件にもよりますが、日帰りでは厳しい。
なので、山の上、青年小屋辺りで幕営の必要があります。
折角なら編笠山の頂上とは思っていました。ただ、そこは大体強い風が吹いている。
そうしたら、青年小屋のテント場にしよう。
と、夢想。

手持ちの装備で寝ることが可能か一度自宅の庭にテント(ツェルト)を張り寝てみました。
寒すぎて夜中に撤退。手持ちの寝袋は確かジェイマートで買った安物。調べてみると適応気温5度から10度、その夜の気温はマイナス10度。山の上はもっと寒くなるだろう。なので寝袋も新調しました。これで準備は万端。多分。
撤退した際に庭に設置したツェルト。


しかし、今年はずっと山(八ヶ岳)に雪がない。3月になってからやっと雪が降り、山も白くなりました。
そして、仕事、家庭、天気の塩梅で誕生日前日からに登ることに。

初日はいつものマイナールートで西岳へ。
幕営の用意、冬の装備でザックはとても重い。
装備を全て付けてザックを持ち上げようとするが、上がらない。

ザックのストラップを踏んでいました。

ま、踏んでいなくても重い。
帰ってから測ってみたところ、食料、水、ワカン片方が無くて(後述)丁度15キロ。最初は16kgぐらいかな。ずっしり重い。
冬靴もとても重い。
重いな、と思いながらいつもの道。勿論家の周囲は雪がない。段々雪が出てきた標高1500m付近で休んでいる人に声を掛けられました。その人は西岳ではなくその周囲を散策しているとのこと。このコースで他の人に会ったのは初めてです。
そして、暫くすると雪も深くなっていく。ワカンを付けたほうが楽だろうと思い付けました。

勾配も段々急に。とてもきつい。
腰を下ろして休みはしないけど、暫し止まって息を整えること数回。こんな事は初めて。
西岳山頂前後は雪も深かったけど、 前人のラッセルの跡でワカンを付けて何とか歩ける。西岳山頂まで4h30m。ほぼ、コースタイム。
去年2月に西岳編笠の周回では3h45mだった。荷物の重さか、靴の重さか、雪の深さか。

西岳山頂からの権現岳。


雪の深い源治新道、水場であった乙女の水は土石流で跡形もなかった。


疲労困憊して、青年小屋。

出来れば編笠山山頂で幕営と思っていましたが、風が強い。体力と時間の余裕がなかったので冬季避難小屋を利用させてもらいました。
結果的にこれが正解だったでしょう。
狭いツェルトの中に荷物を置き、そこで調理をする事は大変。夜じゅう風も唸っていたし。小屋内部でも気温はマイナス10度。放射冷却と風で外はもっと寒かったでしょう。小屋の中でひとり鍋。


翌日は権現岳ピストン。朝方に風は納り、朝焼けも見える。
幕営荷物は小屋に置き最小限の荷物とした。万が一のためツェルト、エマージェンシートなどは持った。あともう一つ(結果的に)余計な荷物を。


最初は樹林もありますが、すぐに木はなくなる。一旦上がるノロシバからはさすが狼煙場だけあって周囲が見渡せる。
ノロシバから見た、左はギボシ、右が権現岳山頂。


このルートは5年前だけど、一度夏に歩いているコース。距離は短いけど、勾配はきつい。事前の情報でもギボシのトラバースが核心だと知っていました。
そのトラバース。最初は雪も落ちて鎖も露出しており、気を付ければ問題はない。

そして、鎖が無くなり、雪の踏み跡のみ。(此処でピッケルを出すべきだった)


最初は踏み跡もしっかりしてアイゼンも効く。トラバースの最終盤、風のせいか踏み跡が不明瞭に。
ピッケル!と思ったがそれを出す方が危ない。アイゼンを時間を掛けて慎重に効かせゆっくり上がる。トラバースが終わったナイフリッジでは緊張が続いたこともあり、暫く座り込み気持ちを鎮めました。
権現岳はもうすぐそこです。


ここでやっとピッケルを取り出す。風はなかったので歩くのに支障はないけど、ここ、風が強かったら怖い。
赤岳への縦走路方向に踏み跡はあった。山頂に誰もいない。少し風も出てきた。
5年前の夏に歩いた縦走路。


来た経路を振り返る。トラバースのところ、ここから見ると歩ける場所と思えない。


帰りのトラバースは下り基調なので、より怖い。ピッケルもアイゼンも十分効いた事を確かめながら移動。
そこを過ぎると急だけど真っ直ぐの下り。アイゼンも効くので上りのステップを避けて下りる。
ノロシバで風も弱まり、結果的に無駄になったドローンで撮影をと思い、取り出したところで気がついた。
ドローンを操作するアプリを入れていない。
年始にiphoneの液晶が壊れ、初期化しそれから入れていなかった。


青年小屋で荷物を積み食事をして編笠山経由で家へ。昨日も誰もいなかったし、まだ誰も来ない。


編笠山からの八ヶ岳。この風景は岳の誕生の際の手ぬぐいのデザインになっています。


編笠山を下りていると、登っていく登山者二人に会った。ピストンだそうです。
また、雪が無くなった所でアイゼンを外す。
その後二回滑って転んだけど、そのどちらかでワカンが一つ外れたらしい。帰ったら一つ無い。
このアイゼンを外した際には付いていたから、今度探しに行かないと。


青年小屋から自宅までは去年より1時間余計に掛かった。アイゼンの付け外し、下りの雪の状態であまり早く歩けなかった。
二日で距離は27km、獲得標高は2000m
今回の反省はともかく、ピッケルを出すタイミング。経験不足です。その状況での最善は尽くしましたが、滑落していたらシャレにならない。

また、諸々の事情があり、55歳で死ぬ訳にはいかない。
精進します。
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